トラベルテック事業戦略
AIと宿泊管理システムの融合で
次世代のトラベルソリューションを創造
取締役
トラベルテック事業管掌
安房 正浩(あわ まさひろ)
人材不足にDX推進。業界が抱える喫緊の課題
旅行・宿泊業界に大きな打撃を与えた新型コロナウイルス感染症によるパンデミックが一定の収束を見せた2022年頃から旅行需要が戻り始め、昨今では訪日外国人を中心にコロナ禍以前を上回る水準まで旅行客の足が戻ってまいりました。
国は2023年3月に観光立国推進基本計画を閣議決定して旅行・宿泊業界を後押ししていますが、コロナ禍の冷え込みで休業や事業縮小をせざるを得なかった施設を離れていった従業員も多く、目下の旅行・宿泊業界の課題は集客よりも現場の人手不足です。基本計画のなかでも述べられているように、旅行・宿泊業界のデジタル化やDX推進は喫緊の課題であり、今後トラベルテックの領域は大きく伸びていく成長市場であると確信しております。
宿泊予約システム『Direct In(ダイレクトイン)』や、宿泊管理システム(PMS)『Dynalution(ダイナリューション)』を提供するダイナテック株式会社(以下、ダイナテック)では、宿泊施設だけでなく、DMO(観光地域づくり法人)も視野に入れながら既存ソリューションの機能強化はもちろんのこと、人材不足への対応やDX推進に役立つ新しいソリューションの提供も強化してまいります。
宿泊施設のフロント業務を代替するセルフサービスソリューションや、ヒトに代わってお客さまの各種お問い合わせに多言語で対応を行うソリューション、需要と供給にあわせて価格を変動させるダイナミックプライシングなどは、これからの宿泊施設には必須といえるものです。AIと宿泊管理システム(PMS)が連携することで、自動化をはじめとする宿泊施設のDXや収益最大化に寄与するサービスが次々と誕生しており、トラベルテック領域におけるAI活用は潮流になりつつあります。
事業化で両社の連携を強化
これまでもダイナテックはバリューコマースのグループ会社として連携してまいりましたが、バリューコマースは『アフィリエイト』を中心としたパフォーマンスマーケティングカンパニーの印象が強く、“トラベルテック領域に強いバリューコマース”という印象はなかったでしょう。
今期より、バリューコマース内にトラベルテック推進室を設けることで、当社がこれから注力していく領域であることを社内外に明示しました。ダイナテックが持つ業界トップクラスのビジネスアセットを最大限活かし、バリューコマースのものづくり人材や最先端のテクノロジーを掛け合わせた、新しいトラベルテックソリューションを生み出します。『Direct In』、『Dynalution』の機能強化を行いつつ、AIやデータ活用などで差別化されたトラベルテックソリューションを立ち上げ、これらをインテグレーションすることで、新しい価値創造につなげていきたいと考えております。
また、トラベルテック領域の動きにスピード感をもって対応していくために、バリューコマースのみならず、ダイナテックとのシナジーが期待できるソリューションや技術を持つスタートアップなどとも積極的に連携して新しいサービスを生み出し、マーケットニーズをキャッチアップしてまいります。
ナンバーワン・AIトラベルテックカンパニーに
バリューコマースとダイナテックが一体となりトラベルテック事業を推進していくことにより、両社で「ナンバーワン・AIトラベルテックカンパニー」へと成長を目指し、社会課題を解決し、旅行・宿泊業界の可能性を広げることに寄与してまいります。