新規事業戦略


攻めの新規事業開拓で、
未来を拓く新たな事業の柱を構築
取締役 事業開発管掌 事業開発室長
粕谷 吉正(かすや よしまさ)
既存事業を加速させる新しい試みが続々と形に
2024年、当社は新規事業開発を専門に手がける事業開発室を設置し、中長期的な視点でバリューコマースの未来を支える新規事業の開拓を進めてきました。M&Aを中心に、当社の成長を支えるソリューションを持つ企業を見い出し、大小さまざまな新規事業の種を育てています。2025年に入り、その動きはますます活発化しております。
その一例として、マーケティングソリューションズ事業では、株式会社018より事業譲受したモニターキャンペーン&口コミ生成『monicam(モニキャン)』およびインフルエンサーマッチング『Castbook(キャストブック)』に加え、2025年3月にはサブスク型インフルエンサーマッチング『BUZMA(バズマ)』を運営する株式会社BUZMAを子会社化しました。これらの取り組みにより、ソーシャルコマース市場でのさらなる成長を目指していきます。
またトラベルテック事業では、ダイナテック株式会社とともに宿泊予約システム『Direct In(ダイレクトイン)』およびホテル管理システム(PMS)『Dynalution(ダイナリューション)』を軸に、宿泊施設のDX推進や人手不足解消を支援してきました。2024年には、Web3/NFT領域で独自のソリューションを持つ株式会社UPBONDへの投資を実施し、宿泊施設向けの新たな顧客管理の仕組みや業務効率化システムの開発にも注力。現在、実証実験の段階を経て、いよいよ本格的な実装へと進もうとしております。2025年4月には、ダイナテック株式会社を吸収合併し、当社のトラベルテック事業として統合することで、より迅速な開発スピードを実現していきます。
海外ソーシャルコマース市場に着目
既存事業の拡大だけでなく、新たな事業の柱となる分野の開拓にも着手しています。その一つが、海外でのソーシャルコマースの展開です。
これまで当社のマーケティングソリューション事業は国内が主戦場でしたが、少子化による国内需要の縮小は避けられない現実です。持続的な成長を考えれば、海外進出は不可避の選択肢であり、むしろ大きな成長機会でもあります。
この戦略の一環として、2025年3月、当社は東南アジアにおいてインフルエンサーマーケティング市場に参入するため、StyleDoubler Ltd.との資本業務提携を決定しました。
長年にわたり、国内アフィリエイト市場をリードしてきた当社の技術力とノウハウは、東南アジア市場においても大きな競争力を発揮すると考えております。国内と海外とでは運用における規制などの違いはありますが、当社が培ってきたパフォーマンスマーケティングの強みを十分に活かせる市場であるという確信をもって推進してまいります。
強いアントレプレナーシップで未来を切り拓く
新規事業開拓においてはアントレプレナーシップが不可欠です。当社は上場企業ではありながら、変革を恐れず、さまざまな挑戦を続けてきました。新規事業の礎となる研究開発においては、関連領域の知見やリソースを持つベンチャー企業とも連携しながら、自分たちだけでイノベーションを起こすのではなく、すでにイノベーションを起こしている人たちと協業することでスピード感を高めてきた経緯があります。未開の分野を切り開く姿勢は、今に始まったことではありません。
2025年には、ECソリューションズ事業におけるクリック課金型広告『StoreMatch(ストアマッチ)』およびCRMツール『STORE’s R∞(ストアーズ・アールエイト)』の取引契約終了という、経営インパクトの大きな変化があります。しかし、この変化が起きる以前からいくつもの成長の種をまいてきました。現在、その一部は芽吹き始め、今後の大きな成長に向けて育成を続けていきます。新規事業開発の位置付けは、さらに重要度を増したと認識しています。未来に向けて、これまで以上に戦略的かつ果敢に挑戦を続けてまいります。