新規事業戦略
次世代の事業を新規開拓
そのスタートラインに立つ年に
取締役 事業開発管掌 事業開発室長
粕谷 吉正(かすや よしまさ)
新規事業の立ち上げで変化を
当社はこれまで、コマース事業者を対象としたマーケティングソリューションズ事業と、主にLINEヤフー株式会社にサービスを提供するECソリューションズ事業を軸に展開してまいりました。また、ダイナテック株式会社(以下、ダイナテック)と連携しながら宿泊施設向けソリューションも展開しております。
しかしながら、『バリューコマース アフィリエイト』を中心とした当社の従前の事業は成熟フェーズに入っただけでなく、広告市場の冷え込みなどの外的要因も重なり、成長スピードは緩やかなものになりました。こうした事業環境を受け、新規事業領域の開拓にさらに注力してまいります。
2024年は新規事業開発を専門に行う事業開発室を設置、アグレッシブに投資を行うことで、数年後のバリューコマースで花開く新たな事業の柱を確立してまいります。
既存事業から先行してイノベーションを
新規事業の開拓においては、まずは先行して既存事業、そしてトラベルテック事業をより発展させるためのソリューションの開発に注力してまいります。
特にマーケティングソリューションズ事業では、ウェブ検索からSNSへと、プラットフォームを移したソーシャルコマースへの取り組みが始まっています。プラットフォームが変われば、必要なソリューションも変わります。新しいソリューションの開発も含め、大きく投資してまいります。
トラベルテック事業においてはコロナ禍の谷からの大いな復調過程にあり、業界を水平方向ではなく垂直方向へと向かう大きな変革が期待できると考えております。例えば、宿泊予約システム『Direct In(ダイレクトイン)』と、宿泊管理システム(PMS)『Dynalution(ダイナリューション)』は、宿泊施設の人手不足やDX推進を解決するソリューションです。このような悩みを抱えている施設は無数にあるでしょう。日本国内に限らず、海外市場も視野に入れた展開が期待でき、社会課題を解決するという非常にニーズの高いものだと自負しております。
資本業務提携で組織体制強化
事業開発室が他事業と連携しながら果たす役割の中で特に重要なのは、M&Aを含めた資本業務提携の主導です。新規事業の礎となる研究開発は、関連領域の知見やリソースをもった企業との強固な連携が必須となります。自分たちでゼロからイノベーションを起こすだけではなく、すでにイノベーションを起こしている人たちと協業することで、スピード感を高めます。
協業できる企業を見つけ、連携を強化していくことが事業開発室のミッションです。三つの主軸事業の推進支援および資本業務提携における窓口となりながら、事業開発を進めてまいります。
現在、当社のグループ企業はダイナテックだけですが、資本業務提携を通して、より強固な仲間が増えていくことになるでしょう。バリューコマースグループとして一丸となることが、新規事業開拓の起爆剤になると考えております。
新規事業は一朝一夕とはいかないものかもしれませんが、2024年は”マーケティングの”バリューコマースから、”マーケティングだけではない”バリューコマースへと進化するための年と位置づけ、まずはスタートラインに立つことを目指してまいります。
三つの事業領域で築いてきた技術を土台にしながら、各領域で培ってきた経験を有機的に連携。加えてAIをはじめとする最新の技術を活用しながら、中長期的な投資により生まれる次世代の事業確立にご期待ください。