マーケティングソリューションズ事業戦略

長谷川 拓 長谷川 拓

『アフィリエイト』に『ソーシャルコマース』
共通するのは持続可能な購買サイクル

取締役 マーケティングソリューションズ事業管掌
長谷川 拓(はせがわ たく)

消費者行動の変化とソーシャルコマースの拡大

当社の主力事業である成果報酬型広告『アフィリエイト』は成熟期に入りながらも、引き続き成長を続けています。その中で、マーケティングソリューションズ事業では、①消費者の購入情報探索の文脈に合った良質なメディア面の拡大、②ソーシャルコマースの強化、③広告掲載サイトに対する審査、監視による品質管理の厳格化という3つの重点課題に取り組んでいます。

特に、消費者の購買行動は従来のSEOメディア経由に加えてSNSで商品・サービスを選択するなど、大きく変化しています。この流れを受け、自社開発のインフルエンサープロフィールページ作成サービス『VLINK(ブイリンク)』は提供開始から1年足らずで登録ユーザーが1万人を突破。また、事業譲受により提供開始したモニターキャンペーン&口コミ生成サービス『monicam(モニキャン)』およびインフルエンサーマッチングサービスの『Castbook(キャストブック)』が加わり、ソーシャルコマース市場の勢いを強く実感しています。もともとバリューコマースが得意としているのは、売り込まずに消費者を動かす『プル型広告』です。消費者の購入商品を決めるための情報探索において自然な形で商品を提案し、多様な選択肢を提供してきました。SNSにおいても多くの広告主様にご利用いただくことで、ECサイトだけにとどまらず、実店舗における流通拡大の可能性も大きく広げています。

新サービス『BUZMA(バズマ)』で社内事業連携も

これまで当社の取引先は大手企業が中心でしたが、個人事業主やスモールビジネスでは、SNSを主体に利用する特性があります。そのため、大小さまざまなビジネスシーンに対応できるよう、2025年3月、サブスク型インフルエンサーマッチング『BUZMA(バズマ)』を運営する企業を子会社化し、サービス提供を開始しました。

『BUZMA』は、もともと旅行関連のメディアにおけるサービスとしてスタートし、飲食店や宿泊施設などをターゲットにしてきました。この点で、当社のトラベルテック事業との親和性が高く、相互連携によるシナジーを期待しています。事業をまたいだマトリックス型の展開によって、市場での成長余地をさらに広げていきます。

持続可能な購買サイクルの実現

ソーシャルコマース市場はまだ発展段階にあります。当社は、こうした市場の変化を見越して先手を打ってきましたが、より便利な購買環境を整えるために、今後もさらなる挑戦が必要です。

当社が目指すのは、『アフィリエイト』であれ『ソーシャルコマース』であれ、広告主とメディア運営者のベストなマッチングを促進し、消費者にとって価値ある情報を提供することです。

そのためには、単なる広告配信にとどまらず、ユーザーインサイトを的確に捉え、購買へとつながるコンテキストを深く理解することが不可欠です。広告主が自社製品のターゲットに向けて最適な情報を発信し、メディア運営者を通じて、消費者の購買意思決定を支援します。その結果として販売につなげ、マーケティングの効果を最大化する。このサイクルを継続的に回すことで、広告主、メディア運営者、消費者すべてにとって持続可能なエコシステムを実現していきます。

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